「リカルドとフェルスタッペンはセナとプロストとは違う」。レッドブル首脳、同士討ちのわだかまりはなしと強調

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、F1第4戦アゼルバイジャンGPでダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンとの間に起きたクラッシュについて、チームとしては十分な対処をし、すでに問題は解決済みであると話している。

 バクーでの決勝を、レッドブルのふたりは同士討ちという悲惨な結果で終えた。リカルドが前を行くフェルスタッペンに追突、ふたりはともにリタイアし、これがチーム幹部の怒りを買った。

 チーム本拠地のミルトン・キーンズに戻ったふたりは、代表であるクリスチャン・ホーナーの説諭を受けた。それは、バクーでのばかげた行動を再び繰り返すことはならない、という明確な警告だった。

 スペインGPを前に、マルコはドイツのSport Bild誌に対して、「お互いにわだかまりはない。この件はもう解決した」と話し、さらにこう続けた。

「ふたりは、今回のような状況に陥らないためにどうすべきかをしっかりと考えなければならない。我々は彼らがコース上で戦うことを許す。しかしその分、彼らは相手へのリスペクトを示さなければならないのだ。今回はそれがなかった」

 今回のクラッシュの責任はフェルスタッペンの方に多くあるとの見方をする者が多いなか、マルコも、フェルスタッペンはもう少し冷静にレースをすべきであるとの考えを示した。

「マックスは多くを求めすぎて、そのために自分自身をかなり追い込んでしまう」とマルコ。

「彼も時には、特に今は、自ら折れるということを学ばなければいけない。これほど頻繁にインシデントを引き起こしているのだからね」

「それは彼にとってきついことだが、彼も状況は理解している。昔のセバスチャン(・ベッテル)も同じだった。私にはふたりが相似しているのが分かる」

「マックスは、次に何か起きたら、それが自分の手で避けられた問題かどうかにかかわらず、自動的に批判されると分かっている」

「それに、チームとしてはポイントが必要だ。だから、次のレースで彼は自分の走り方についてこれまでにも増して真剣に考え抜かなければならない」

 マルコはAuto Bildに対し、今はふたりが自由に戦うことを許すが、状況によっては介入するつもりであると語った。

「今後も自由に競わせる。だがまた行き過ぎた状況になったら、介入するようレースエンジニアに指示する」

 しかしふたりの関係は今も良好であり、F1の歴史に残る過去の不仲なチームメイト同士の関係とは異なると、マルコは強調した。

「リカルドとフェルスタッペンはとてもうまくやっている。ベッテルと(マーク・)ウエーバー、(アイルトン・)セナと(アラン・)プロスト、あるいは(ルイス・)ハミルトンと(ニコ・)ロズベルグはそうではなかった」

© 株式会社三栄