小田原駅東口お城通り地区 再開発ビルが起工 完成は2020年3月予定 小田原市

地上3階建ての商業棟と地上14階、地下1階建ての高層棟の再開発ビル(完成イメージ)

 小田原駅東口のお城通り地区再開発事業で、仮称・小田原駅東口再開発ビル新築工事の起工式が5月8日、事業施工者の万葉倶楽部(栄町)により行われた。基本計画策定から32年を経て、再開発事業は最終段階を迎える。

 同事業は1986年3月に小田原市が基本計画を策定し、89年3月に市と地権者によるお城通り地区再開発準備組合が設立。2007年2月に広島市に本社を置く不動産会社(当時)が優先交渉権者に決定したが、翌08年8月に同社が民事再生手続きの開始を決定したことで白紙に戻った。

 その後、駅に近い「広域交流施設ゾーン」と小田原城側の「駐車場施設ゾーン」に整備事業を分割。15年11月、駐車場施設ゾーンで小田原駅東口駐車場とおだわら市民交流センターUMECOが供用を開始した。広域交流施設ゾーンは公募により17年3月に万葉倶楽部が事業施工者に決定した。

 起工式には万葉倶楽部の高橋弘代表取締役会長、施工会社・五洋建設の清水琢三代表取締役社長、来賓の加藤憲一小田原市長ら約80人が出席。高橋会長は「地元の人に良かったと思ってもらえる施設を、行政、地権者と力を合わせて完成させたい」と話した。加藤市長は「小田原ならではの城下町風情を取り入れた施設は観光拠点になるとともに、市民の暮らしにとっても重要な役割を果たしていけたら」と期待を寄せた。30年間関わってきた再開発準備組合の丸田茂晴理事長は「ようやく着工できてうれしい。小田原の入り口として、立派な施設となるよう期待する」と話した。

 再開発ビルは図書館や子育て支援センターなどの公共施設に加え、ホテル、コンベンション、商業、業務用オフィスで構成される複合施設となる。1階には観光バス乗降場も整備される。名称は来年夏に市民公募を予定。20年3月完成、6月オープンをめざす。

起工式で鍬入れをする関係者ら

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