認知症予防に「孫の手」 横浜Mがサッカー教室

 サッカーJ1横浜F・マリノスが県と連携し、認知症予防を目的としたシニア向けのサッカー教室を12日にスタートさせた。65歳以上の高齢者が小学生以下の孫と一緒に参加するのが特徴で、世代を超えて運動を楽しみながら健康寿命を延ばそうという試みだ。

 県の進める「未病の改善」の取り組みに、マリノスの持つ競技普及のノウハウなどを活用。プロスポーツクラブが認知症予防をテーマにしたスクールを開くのは全国でも例がないという。

 横浜市港北区内で開かれた1回目の教室には、最年長の80歳をはじめ約10組が参加。体力測定や脳の働きをチェックする筆記テストに続き、ボールを使った軽い運動などに汗を流した。半年間で計12回のプログラムを組み、今後はマリノスの主催試合の運営ボランティア体験や試合観戦なども予定している。

 3歳の孫と参加した同市保土ケ谷区の千葉公代さん(65)は「久しぶりに体を動かしたので気持ちがよかった」。厚木市の高橋康彦さん(65)は「(横浜市内に住む)孫と会う機会にもなるので参加した」と笑顔で話していた。

 県などによると、認知症高齢者は2025年に全国で約700万人、県内でも約45万人に達する見込み。予防には食生活の改善や運動、社会参加が効果的とされている。 

孫と一緒に運動を楽しむ高齢者=横浜市港北区

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