生き延びる知恵学ぶ 横浜で防災フェア 炊き出し袋や消火用具体験

 大地震の際に役立つ知識や備えの要点を学べる体験型訓練「防災・減災活動体験フェアー」が12日、横浜市神奈川区の市民防災センターであった。親子連れらが多く訪れ、生き延びるために欠かせない非常食や初期消火などの知恵や技を身に付けた。

 関心を集めたのは、非常用炊き出し袋を使った炊飯体験。目盛りに合わせて米と少量の水を入れ、鍋で加熱すれば、停電時でも水を節約しながらいつもと同じ米飯を味わえるとあって、主婦らが熱心に使い方を学んだ。

 「袋の水はお茶やジュースで代用できる。鍋に入れるのは、トイレや風呂の水で構わない。この袋を米びつで保管しておけば、いざというときに困らない」と災害ボランティアが利点を説明。備蓄用にと買い求める人が相次いだ。

 水道に接続する初期消火用具も注目の的に。特殊なノズルとねじれにくいホースで一定の水圧があり、参加者は実際に放水してその威力を体感した。

 このほか、応急手当てやロープワークの体験、家具固定器具や簡易トイレの展示などがあり、地震や津波に関する防災クイズのコーナーも設けられた。

 フェアーは「かながわ・よこはま防災ギャザリング2018実行委員会」の主催。副実行委員長の宮川靖司さん(44)は「繰り返し学んでもらおうと、基本的に毎年同じ体験内容にしている。学んだことを家庭や地域に持ち帰り、実践してほしい」と話した。

注目を集めた非常用炊き出し袋の体験。主婦らが熱心に使い方を学んだ=横浜市神奈川区

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