「日本一」笹尾さん写真展 平塚市美術館で5月15日から 平塚市

愛用のカメラを手に笑顔でポーズ

 アマチュアながらも、美しい自然の一瞬を見事に切り取る敏腕カメラマンがいる。松風町在住の笹尾敏子さん(75)だ。笹尾さんは6千点近い作品が寄せられた全国コンクールで昨年優勝している。今月には市内で初の個展を開催、故郷へ錦を飾る。

 笹尾さんは、昨年行われた第34回「日本の自然」写真コンテスト(主催/朝日新聞社ほか)の一般部門で、全国から寄せられた5947作品の中から最高位にあたる最優秀賞に輝いた。

 受賞作の「三兄弟」は、昨年に大磯運動公園貯水池で撮影した。貯水池に作られたアオサギの巣に卵を見かけた笹尾さんは、卵がふ化し、やがて羽ばたくまでの3カ月間にわたり公園に通い詰め、「三兄弟」の成長をレンズ越しに見つめてきた。

 貯水池に足を運んだ回数は実に35回におよび、そのつど80枚以上のシャッターを切ったという。「兄弟でケンカをする時もあり、ハラハラドキドキの連続でした」と笹尾さんは振り返る。

 カメラとの出会いは今から27年前。子育てが一段落した48歳の時、好奇心から地域の女性カメラサークルに入った。「感動した瞬間にシャッターを切ることに忘れがたい喜びを感じた」という笹尾さんは、カメラの講習会に通ったほか、参考書も読みあさり、撮影技術を身に付けていった。

 おととしの「日本の自然」写真コンテストでも入賞を果たした笹尾さんは、これまで都内や横浜で個展を開催、来場者からも高い評価を受けた。近年ではモンゴルにまで足を伸ばし、現地のイーグルハンターを追いかけるなど活動の場を広げている。「お祭り会場や各地の公園など、撮影地には歩いて行くので健康にも良い。カメラは趣味であり生きがい」と笹尾さんは笑顔で話している。

 市内で初開催となる個展「『日本の自然』最優秀賞受賞記念展」は市美術館で5月15日(火)〜20日(日)、午前9時30分〜午後4時30分(初日は1時〜、最終日は4時まで)。期間中は「三兄弟」をはじめ、2016年の「日本の自然」写真コンテストの入賞作品や、モンゴルで撮影した写真などおよそ100点が並ぶ。

 写真展に関する問い合わせは笹尾さん【携帯電話】090・6575・3711。

受賞作の「三兄弟」

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