独立リーグ高知を明るくする米国人女性 国際広報兼通訳で「架け橋」に

高知ファイティングドッグスで国際広報兼通訳として働くエミリー・ポラードさん【写真:広尾晃】

今年から社員として高知に入社、メジャーの超大物選手の夫人とは親友

 独立リーグ四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスの本拠地、高知市野球場でひときわ溌溂とした表情で働くアメリカ人女性がいる。エミリー・ポラードさんだ。

 テキサス州出身のエミリーさんは、4年前に来日。高知市内の中学校で英語教師として働いていたが、日本語を学びたいエミリーさんにとって、英語を話すのが仕事の英語教師は、少し希望にマッチングしなかった。高知で暮らすうちに、高知ファイティングドッグスを知り、ボランティアとして球団の運営を手伝うようになった。

 そして今年から、社員として高知ファイティングドッグス球団に入社した。肩書は国際広報兼通訳。

 実はエミリーさんは、超大物メジャーリーガーの知り合いだ。アトランタ・ブレーブスの至宝で今年、米国野球殿堂入りしたチッパー・ジョーンズの現夫人とエミリーさんは親友なのだ。

 今年7月の殿堂入りセレモニーにも招待され、アトランタからチッパーの自家用ジェットで一緒にニューヨーク入りする予定。エミリーさんはニューヨークでは高知ファイティングドッグスの広報として営業をすると意気込んでいる。

 昨年、高知には、こちらも超大物メジャーリーガーのマニー・ラミレスがやってきていた。また、こちらもメジャーリーガーだったアンダーソン、さらにロドリゲス、ラフと外国人選手がたくさんいた。エミリーさんは彼らの通訳として、大活躍をした。

「エミリーのご縁で、外国人の皆さんがたくさん球場に来るように」

 しかし、今年の高知の英語圏の外国人選手は、ザック・コルビー一人だけ。「ザックには通訳は必要ないですね」と笑う。ザックは日系人、そして2014年から四国アイランドリーグplusでプレーをしているので、日本語に不自由はしていない。

 そこで今年、エミリーさんは他のスタッフとともにチームの運営全般を担当している。試合が始まると、一塁側の売店で、ビールを売っている。これがちょっとした球団の名物となっている。ファンのおじさんたちは、エミリーさんと話すのが楽しみになっているようだ。

 高知球団の北古味潤副社長は話す。

「エミリーのご縁で、高知在住の外国人の皆さんがたくさん球場に来るようになりました。球場が国際的な雰囲気になっています。イメージアップにつながっているようで、お母さんが子供さんを連れて球場にやってくるようになりました」

 エミリーさんには昨年、すでにNPB球団から通訳のオファーがあった。しかし、自身は単なる通訳ではなく、外国人選手のNPBでのプレーや、日本人選手のMLB挑戦をトータルでサポートする「架け橋」のような役割を果たしたいのだという。北古味副社長は話す。

「こんなに優しくてよく気がつくエミリーですが、芯はすごく強いしっかり者です。私たちは彼女の夢を支援していきたいと思っています」

(Full-Count編集部)

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