蛤浜に眺望カフェ 年間通じてにぎわう浜辺に

 長崎県新上五島町七目郷の蛤(はまぐり)浜海水浴場近くに4月下旬、カフェ「はまぐりデッキ」がオープンした。海辺に設けた座席からは美しい海や山々の眺望を楽しむことができる。オーナーの宇戸淳子さん(43)は「観光客が多く訪れる夏季以外も、年間を通じてにぎわう浜辺にしたい」と意気込む。
 宇戸さんは福岡市出身。会社員時代に知り合った同町出身の章仁さん(47)と結婚し、約20年前に移住した。それまで海に親しんだ経験は少なかったが、暮らし始めて上五島の自然の美しさに魅了された。高校生になった2人の子どもが幼いころ、海水浴など海のレジャーに親しんだ。
 一方で近年、高齢化や人口減が進む島の状況も気になっていた。約5年前から住民や来島者が集う場をつくろうと構想。雑木林だった私有地を買い上げ、雑草を除去して整地した。章仁さんが経営する自動車整備工場に事務員として勤める傍ら、福岡市の飲食店やコンサルタントに通い、食材の仕入れや経営のノウハウなどを学んだ。
 カフェは約500平方メートルの敷地に計約50席を設置。多目的スペースとしても活用できるよう座敷型のテント席も設けた。飲食メニューはコーヒー(300円から)、カレーライス(700円)など10種類以上を用意。アメリカンドッグにチーズをかけた「ふわふわドッグ」(300円)は、看板メニューだ。飲食メニューは全品持ち帰りできる。
 営業時間は午前10時~午後4時で不定休。6月からはビアガーデンの営業も計画している。宇戸さんは「今後はウエディング会場にしたり、冬場の閑散期に合わせイベント会場などとして開放したりすることも考えている」と語った。

「はまぐりデッキ」を開業した宇戸さん=新上五島町
テント席は10人以上入ることができる

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