認知症でも住みやすい町に 患者の福田さん、川棚町で集い

 佐世保市内で認知症本人や家族の集いを開いている若年性認知症の福田人志さん(55)=佐世保市黒髪町=は11日、東彼川棚町の交流スペース「ハッピーハウス」で集いを開いた。10人が参加し、誰もが住みやすい町にするために必要なことを話し合った。
 国内初の当事者団体「日本認知症本人ワーキンググループ」(東京)に入った福田さんは、5月から活動を九州各地に拡大。第1弾として、川棚町を訪れた。
 福田さんは、認知症でも地域で安心して暮らせる町づくりを目指し自治体が作成する「認知症ケアパス」の導入を提案。ケアパスは、認知症の状態に応じた支援やサービス提供の流れをまとめている。今後話し合いを重ね、川棚町のケアパスの完成を目指す。
 参加者は「理路整然と話す福田さんは認知症とは思えない」「『認知症』と言ってもいろいろな人がいるんだ」と驚いた様子。町地域包括支援センターの城戸香織さん(41)は「会を開いても当事者がなかなか集まらないのが現状。福田さんをきっかけに輪が広がり、町づくりにつながればうれしい」と話した。
 25日午後1時からは、川棚町百津郷の「井戸端みんなでワハハ」で開かれる。問い合わせは中倉さん(電0956・32・8879)。

認知症でも安心して暮らせる町づくりについて話し合う福田さん(右)と参加者=川棚町、ハッピーハウス

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