藤田金屬が「地域未来けん引企業」に 経産省から選定大学や養護学校との連携活動推進

 藤田金屬(本社・新潟市、社長・今井幹文氏)はこのほど経済産業省から地域未来けん引企業に選定された。今後、設備投資や雇用を伴う地域貢献につながる事業を計画していく。同社のこれまでの地域の発展に資する取り組みを紹介する。

キャリア教育

 近年は県内外の大学と連携し、企業の動向を学ぶ機会を提供している。新潟大学教育・学生支援機構キャリアセンターと若手社員と学生のハイブリッドによる人材育成プログラム(全学部生が対象)に参加。地元企業に目線を向けてもらう目的もある。授業名は「社会とキャリア選択」。2018年度が初の試みで課題は「少子高齢化に伴う人口減少」、「AIの発展」。参加企業は5社。

 若手社員と学生が数人でチームとなり、課題に対する調査・ディスカッション・提案を行うことで、マネジメントやリーダーシップ、チームリーディングを学ぶ。働き方やキャリア形成についても考え、大学側、企業双方が理解を深め業務を考察することで知識、知恵の習得につながる。

 同大の工学部とは協創経営プログラムに参画している。国立大学変革の一つで、理工学とビジネスパーソンが活用できる知識を横断的に学ぶ。工学系のカリキュラムに就職後、現場で使える経営管理や企業会計、マーケティング、ロジカルスピーキング等を盛り込んだ実践型学習を通じ、地域貢献を目指す。

 土田喜一取締役はアドバイザーとして会合に参加。「大学が時代の潮流を捉え変革を推進するのと同様、当社も鉄鋼業界という世界規模の変化を乗り切らなければならない。中計のスローガン『動く変る』の下、さらなる高みを目指し、協創で新潟県の発展に寄与したい」とメッセージを寄せている。

 県外大学と連携の事例もある。18年度に新潟県と学生U・Iターン就職促進協定を締結している神奈川工科大学と連携し、自社の業界の情勢や取り組み、働くことの魅力を講演する。

 異業種3企業でのインターンシップも地域活性化の一助となっている。

雇用、少子化対策

 労使問題にも関わる。新潟県労働審議会の使用者委員(企業側)として、17年度は「生涯現役社会に向けた高齢者雇用対策」について土田取締役が事例報告を行った。

 新潟県の少子化対策モデル事業に参加し「第3子からの出産・子育て支援型」を16~18年度にかけて実施した。労働局が策定する男性の育休取得が伴う次世代育成支援対策「くるみん」にも挑戦している。

障がい者雇用

 同社は障がい者雇用にも積極的だ。直近2年間で3人を採用した。工場、経理、清掃とさまざま。地域の養護学校から紹介される関係が構築できている。三条支店では特別支援学校2年生を対象に職場実習を受け入れており、生徒が社会経験を積むサポートを行っている。

お祭りに参加

 白根大凧合戦、新潟まつり大民謡流し、分水おいらん道中(個人参加)等にも地元企業として積極的に盛り上げている。

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