プレス工業と伊藤忠丸紅のインドネシア合弁、今期は営業損益黒字化へ 車用部品受注が好調

 プレス工業と伊藤忠丸紅鉄鋼のインドネシア合弁事業、PKマニュファクチャリング・インドネシア(PKMI、本社・西ジャワ州カラワン)が今期は営業損益で黒字化する見通しだ。日系商用車メーカーから新規の部品受注が進んだ上に、同国のトラック生産の回復が寄与する。

 インドネシアでは資源価格の上昇やインフラ投資の活況で景気が持ち直し、トラックの現地生産も2016年を底に増加へ転じている。18年度も堅調が続きそうで、18年のトラック生産は10万台を超え、14年並みに回復すると見込まれている。

 PKMIは昨年上期以降、日系ユーザーからSUVや軽量トラックのフレームを新規受注した。こうした拡販や需要増で「17年度下期からは営業損益が月次で黒字化している」(角堂博茂社長)。

 生産面では、従来はタイ事業からインドネシアへ部材を供給し仕上げてきたが、一部のフレームではインドネシア国産の鋼材を使った一貫生産を開始した。「今後はQCD活動による生産性の向上を強化し、既存受注品のフル生産や、さらなる新規受注を進めていく」(角堂社長)。

 PKMIは12年に建機用部品のキャビン、14年からは自動車部品のフレーム生産を始めた。建機需要が落ち込んだため、16年からキャビン生産を中断し現状は自動車部品事業に特化している。

 インドネシアでは、昨年に三菱自動車工業がブカシ工場で年産能力16万台の新工場を稼働。いすゞ自動車はインドネシアで新興国向けの戦略車「TRAGA(トラガ)」の生産を始めている。

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