企業も「ハッピーヒーロー」に

「人々がある状況を現実であると定義すれば、結果としてその状況は現実となる」ロンドンに拠点を置き、サステナビリティに関するコンサルティングを行うフテラの共同創業者ソリティア・タウンセンド氏は、米社会学者ウィリアム・I・トマスの言葉を紹介した。(オルタナ編集部=吉田広子)

タウンセンド氏は「より良い生活に向かっているのか、危機的な状況に向かっているのか。岐路に立たされたときに、どちらを信じるかが重要だ」と話す。

フテラはリサーチ会社に依頼し、日本をはじめ世界26カ国で気候変動に対する姿勢を調査した。必ず解決できると信じる「強い楽観主義」、テクノロジーなどによって解決できるかもしれないと考える「楽観主義」、解決できないと考える「悲観主義」、運命だとあきらめる「運命論者」、そもそも気候変動を否定する「否定主義」――。

調査の結果、グローバルで見ると、強い楽観主義が16%、楽観主義が40%で半数を超え、否定主義は4%にとどまった。一方、日本は強い楽観主義が8%、楽観主義が24%、運命論者が最も多い32%に上り、否定主義は18%だった。

タウンセンド氏は「世界でも日本でも気候変動に関するネガティブな話の方が、解決策よりも多くみられる。私たちは解決策を持っていることをもっと大きく示さなければいけない」と訴える。

例えば、ジュエリーブランドのティファニーはトランプ米大統領に対し、新聞広告などを使って「パリ協定から脱退しないで」といったメッセージを発信した。

タウンセンド氏は「みなさんは素晴らしい『ハッピーヒーロー』の仲間。世界中でサステナビリティを実現できることを確信している。企業はヒーローになれるはずだ」と呼びかけた。

© 株式会社博展