100年前の早岐 マップで再現 まちづくり協議会 建物を種類別で色分け

 大正時代の長崎県佐世保市早岐地区の一部を再現したマップ「100年前の早岐浦をブラハイキ」を、早岐まちづくり協議会(木原岩夫会長)が中心となって作った。「もっと多くの人に知ってほしい」としている。
 1989年に親和銀行早岐支店が作った地図「絵で見る大正初期の早岐の街並」を参考にした。協議会で事務局長を務めていた木原政明さん(59)を中心に構想を練った。町づくりに詳しい長崎国際大の人間社会学部国際観光学科の原哲弘准教授(63)にも協力を要請。意見交換をしながら方針を固めた。
 田子の浦バス停から早岐駅付近にかけて、当時の商店や施設の名称を詳しく書いている。デザインはカキタデザイン事務所(佐世保市柚木元町)代表の垣田鉄郎さん(43)が担当。白黒だった元の地図に色を付け、イラストの数を増やした。約200軒ある建物の名称は「宿泊・飲食・サービス関連」「神社・仏閣・公共施設等」「病院・薬局関連」など種類別で色分けし、街並みが一目で分かるように工夫。自ら本を読んだり、現地に行ったりして調べたことも、説明文として盛り込んだ。
 完成後は原准教授が大学の授業で活用したほか、県立長崎南高と佐世保東翔高、佐世保市立早岐中にも配布。教育関係者からも好評という。
 現在は早岐地区公民館図書室(早岐1丁目)と佐世保市立図書館郷土資料室(宮地町)で閲覧できる。木原政明さんは「土地の記憶をつないでいきたい。多くの人に手に取って読んでほしい」と願っている。

マップ作成に尽力した木原政明さん=佐世保市、早岐地区公民館
商店や施設の名称が詳しく書かれ、種類別に色分けされているマップ

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