多摩川改修100年 写真展やツアー実施へ

 国直轄の多摩川改修事業が始まって100年の今年、国土交通省や川崎市など流域の34行政機関による多摩川流域協議会は巡回写真パネル展や歴史巡りツアーなどの記念プロジェクトを行う。東京都小金井市の東京自治会館で14日、川崎市の藤倉茂起副市長ら関係自治体の幹部らが集まりプロジェクト発足式典が開かれた。

 式典では、100年の歴史を振り返る映像が紹介され、協議会長の渋谷慎一・国交省京浜河川事務所長が「魅力ある河川環境を保全・創造し、次世代を担う子どもたちの未来へ、豊かで活力のある地域を継承していく」などとした宣言を行った。

 プロジェクトは7月から来年3月まで、多摩川の今昔や概要を紹介するパネル展や、校歌に多摩川が歌われている小学校による合唱コンクール、多摩川の歴史をバスや船で巡るツアーなどが計画されている。

 多摩川の改修事業は、明治の大水害で苦しんだ川崎市中原区周辺の住民約500人がアミガサをかぶって県庁に押し寄せたアミガサ事件(1914年)に端を発し、有吉忠一知事が道路改修の名目で代用堤防(有吉堤)を築堤。これを契機に、国が18年に河口から二子橋付近までの築堤事業を始めた。 

多摩川改修100年プロジェクト発足式典

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