停止旗で車破損 県に賠償を命令 横浜地裁判決

 金沢署員が速度違反の取り締まりをしていた際、停止を求める棒状の旗(停止旗)が当たって車が破損したとして、車の所有者の男性が県に約23万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(大西勝滋裁判長)は15日、署員の過失を認め、県に約14万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、署員は2016年8月24日、横浜市金沢区内の路上で速度違反の取り締まりを実施。原告の車両の後続車に違反を認め、停止旗を差し出したところ、原告車の左後部に当たり長さ約8センチの線状の擦過痕が生じた。

 訴訟で県側は、原告車も含めて停止の合図を送ったと主張。停止旗を差し出したタイミングが主な争点となった。大西裁判長は判決理由で、擦過痕が車の後方部にだけ生じていたことから、「原告車の通過中、後続の違反車両を停止させるために停止旗を差し出したと認めるのが相当」と判断し、署側に注意義務違反があったと結論付けた。

 県警監察官室の千葉証室長は「判決内容を検討の上、今後の対応を決めたい」とコメントした。

横浜地裁

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