赤ちゃんと読書を 「声気にしない」時間設定 綾瀬市立図書館

 子育て世代の図書館利用を促そうと、綾瀬市立図書館は、乳幼児を連れた保護者らが気兼ねなく施設を利用できる時間帯を設ける取り組みを本館(同市深谷中)で5月から始めた。初回となった8日には5組程度が利用。普段は子どもの声や物音で周囲を気遣う保護者からは「ゆったり本を読めた」と歓迎する声が上がった。 

 「あかちゃんのとしょかん」と題した取り組みは、第1、3週を除く火曜日の午前10時~正午に実施。絵本コーナーをはじめ1階フロアでは、声を出すなどしても良い時間帯とする。図書館職員が乳幼児向けの本の選び方について相談を受け付けるほか、読み聞かせも行う。

 市教育委員会生涯学習課によると、これまで子育て世代の利用が少なく、その一因として、子どもが騒いでしまうことへの保護者の遠慮がみられた。一般向けも含め本は1階に配架され、そのスペースは狭小。このため、「(子どもの声が)うるさい」といった利用者からの指摘もあった。

 図書館は静かにする所、といったルールはあるものの、同図書館は今回の取り組みをきっかけに「子育て世代への理解を深める場にしていきたい」とし、館内掲示などで周囲の理解も求めていく。

 初回に利用したグループの中には、1時間程度滞在しながら絵本を楽しむ乳幼児連れの姿もあった。

 同市在住で2児を育てる40代の母親は「図書館は静かにしないといけないという意識が強く、実際に注意を受けたことはないが、いつも気を遣っていた。今後、(本館に)来る回数が増えると思う」と話していた。

 次回の開催は22日。問い合わせは、同館電話0467(77)8191。

8日の「あかちゃんのとしょかん」実施中に訪れた親子連れ=綾瀬市立図書館本館(同市提供)

© 株式会社神奈川新聞社