女性活躍ということ

 「働く女性」と言われると、どういうイメージが湧くだろうか。バリバリのキャリアウーマン? 教師や看護師などの専門職?▲実際は専門職を含め働く女性のおよそ半数が非正規労働者だ。県の2017年度労働条件等実態調査によると、女性雇用者に占めるパートや契約社員などの合計割合は49%。男性の22%に比べ高い▲飲食店で、サービス業の窓口で、福祉の現場で。多くの非正規雇用の女性が飛び回り、産業や社会の維持に不可欠な労働を担っている▲他に家計を支える家族がいて、望んで非正規の立場を選ぶ人はいるだろう。だが、非正規の賃金を頼りに生活する人も少なくないはずだ。「親の介護があるのでフルタイムでは働けない」と低収入に甘んじる独身者や、高い時給を求めて夜のパートに出るシングルマザーもいるかもしれない▲ひところ「女性活躍推進」という言葉をよく聞いた。活躍とは「めざましく活動すること。大いに手腕をふるうこと」と広辞苑にある。「活躍する」と「働く」とはどう違うのだろうか▲社会のさまざまな場面を支えて働く人々が、生活や将来の不安なく、やりがいを実感しながら毎日生き生き過ごすこと。それが「活躍」ではないだろうか。これはもちろん女性だけに限った話ではなく、働く男女すべての問題だ。(泉)

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