白銅、海外強化、ネット販売も推進

 非鉄流通大手の白銅(社長・角田浩司氏)は15日、都内で決算説明会を開催し、海外事業の強化やネットサービスの拡充などを実行していく考えを示した。海外事業では中国やタイなどの現地法人を活用した事業拡大や、韓国・台湾などへの展開を検討する。白銅ネットサービスでは、国内事業では標準在庫品(自社在庫)のラインアップを4300アイテムから5千アイテムに増やすほか、他社在庫品も3千アイテム増の5千アイテムに拡充する。タイでも協力会社と共同でネットによる見積もりサービスをスタートさせており、国内外で顧客サービスの拡充を推進していく。

 海外事業では中国とタイの現地法人の強化を進める。中国では既存ビジネスの深堀りを進める一方、前期に通期黒字化を達成したタイ現地法人では、協力会社とともに切り板・フライス加工需要の取り込みを狙う。顧客サービス拡充の一環として、4月からネットによる見積もりサービスをスタートさせており「見積もりや注文にかかる時間の短縮を目指す」(角田社長)との考えを示した。ベトナムでは駐在員事務所と協力会社を活用し、半導体製造装置・部品向けの非鉄金属製品を拡販する。

 国内のネットサービスでは他社在庫品のラインアップ拡充を進めており、今期中に5千アイテムまで増加する見通し。「標準在庫品と合わせて1万アイテムをネットで注文することができるようになる」(同)とし、ネットの活用で受注のスマート化を図る。

 このほかM&Aの考えについて「当社にない加工技術・設備を保有する企業を取り込むことで、〝時間を買う〟のは一つの選択肢」(同)と説明。また「非鉄問屋業界では後継者の問題が課題になっている。そういった企業とうまく組めるのであれば検討する」(同)としている。

 今期業績は売上高、最終利益で過去最高を更新する見通しを示した。このうち6月から実施するアルミ板・銅板の値上げにより「通期で6千万円の利益押し上げになるとみている」(同)と説明。こうした資金を基に顧客サービスの充実化を加速させる考えだ。

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