長与に初の女性消防団員 専門学校生の松尾夢乃さん 「人の役に立ちたい」と志願

 西彼長与町消防団(原田成信団長)に初の女性団員が誕生した。第3分団(平木場郷)に配属された同町まなび野3丁目の専門学校生、松尾夢乃さん(18)。「人の役に立ちたい」と志願し、先輩団員に基本を教わっている。
 「気をつけ、敬礼」-。12日夜、同町岡郷のふれあい広場で全団員約300人が参加した礼式訓練。4月に新入団した20人の中に松尾さんもいた。折り畳んだ約10キロの消防ホースを抱えて走り、約20メートルを延ばし終えたら、別のホースと連結する。もし外れたらホースが水圧で暴れだす危険も。初めてでうまくいかず焦る松尾さんに、先輩団員から「落ち着いて」と声がかかった。
 将来、何かボランティアをしたいと考えていた松尾さん。純心女子高(長崎市)3年生の時、女性消防団員についての講話を聞いたのがきっかけで女性も参加できることを知った。松尾さんは地元の長与町消防団を調べてみたが、女性はゼロ。思い切って申し込んでみたら、受け入れてくれたという。
 所属する第3分団の団員は27人。団長、平田博さん(49)は「『何でもする』というやる気を尊重したい」と話す。火災や災害の時は「ポンプ操作やホース延長など、消防に関することは何でもやってもらう」と期待する。
 松尾さんは月に2回行う機械の手入れなど1年間は訓練。「筋トレをして体力をつけ、男の人に負けない団員になりたい」と語った。
 県消防保安室によると、県内市町の女性消防団員は338人(昨年4月)。主に火災予防の啓発や後方支援などに当たっている。

真剣な表情で放水訓練をする松尾さん(右)=長与町平木場郷

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