広域通信制単位制高校「師友塾高等学校」(広島)の運営会社(株)文学の館が破産

 (株)文学の館(TSR企業コード:722026005、法人番号:3240001039135、尾道市向島町立花20129-1、設立平成19年2月、資本金2000万円、大越俊夫社長)は4月27日、広島地裁尾道支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には橋本則利弁護士(弁護士法人尾道しまなみ法律事務所、同市新浜1-14-31、電話0848-29-5115)が選任された。
 負債総額は約1億8000万円。

 不登校児や高校中退生のための私塾「師友塾」を運営していた(株)オーアイシー(TSR企業コード:660371332、法人番号:3140001001162、神戸市東灘区、平成29年11月破産)の子会社として設立。構造改革特区(教育特区)の認定を受けて平成20年4月、中国地方初の株式会社が運営する広域通信制単位制高校「師友塾高等学校」を開講した。また、長期滞在型プログラムも設けて、本社地にスクーリングと長期滞在用の宿泊施設「文学の館」を開設していた。
 不登校や引きこもりの若者たちを全国から受け入れて年間売上高は1億円~1億5000万円で推移していたが、売上不足から赤字が続き、26年3月期決算時点で1億2672万円の債務超過に陥っていた。その後の業績も改善しなかったため、28年12月に尾道市に対して高等学校の廃止認可を申請。審議会の答申を経て、29年3月廃止認可決定となり、同月末をもって廃校し整理に入った。29年5月、自社所有だった「文学の館」の不動産を第三者に売却し、30年に入り、破産を申請していた。

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