三井住友建設が橋梁モニタリングシステム開発 富山で現場検証を開始

 三井住友建設はこのほど、FBGファイバーセンサーを活用した橋梁のモニタリングシステムを開発した。橋梁の維持・管理業務の効率化と省力化を図るもので富山市と橋梁維持管理に関する研究協力協定を締結。供用中の実橋で検証を開始した。得られた点検データは神戸大学の森川英典教授との共同研究で信頼性理論に基づく評価をを実施し、橋梁の健全性を検証していく。

 構造物の点検・診断にはセンサーモニタリングが有効とされるが、センサーの耐久性に課題があった。そこで、経年劣化の懸念がある材料を一切使用しないFBGファイバーセンサーを採用したモニタリングシステムを開発した。同社の豊富な橋梁設計・施工の実績に基づきピックアップした重要点検箇所にセンサーを配置して状態・挙動を連続性のあるデータとして把握。マクロ的に既存橋梁の健全性を評価できる。

 初期コストは現行の近接目視点検と同程度だが、データ収集時の作業用足場の設置や交通規制が不要で橋梁専門技術者が不在でも容易に作業できるなど、ランニングコストの大幅な低減と省力化・効率化を図ることができる。今後、システムの妥当性や有効性、費用対効果を検証し、橋梁維持管理の省力化を実現する新手法としての実用化を目指していく方針。

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