「現時点で不許可要件当たらず」川崎市長見解 ヘイト集会問題

【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市のヘイトスピーチ対策の阻止を公言する人種差別扇動者の瀬戸弘幸氏が6月3日に川崎市教育文化会館(川崎区)の使用を申請している問題で、福田紀彦市長は16日の定例会見で、公的施設でのヘイトスピーチを防ぐ市のガイドラインに照らし「現時点では不許可の要件には合致していない」との見解を示した。

 ガイドラインでは「差別的言動が行われる恐れがある」「他の利用者に著しい迷惑を及ぼす」という二つの要件を満たす場合、公的施設の使用を不許可にすることができる。福田市長によると、昨年12月に瀬戸氏らが開いた集会の動画などを確認したといい、「現時点の情報収集では、ヘイトスピーチには当たらないと判断している」と説明。「今後も主催者がどのような情報発信をするのかに注視していく」と述べた。

 同会館や関係部署と協議を重ねている同区の水谷吉孝区長は「情報収集と協議を引き続き行っていく」と話している。

会見で見解を述べる福田市長=川崎市役所

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