JR九州高速船 対馬・比田勝経由 「混乗」便 週1~3往復 島民割引運賃を設定へ

 博多と韓国・釜山を結ぶJR九州高速船(福岡市)のジェットフォイル「ビートル」の一部が7月23日から、長崎県対馬市北部の比田勝を経由し、比田勝-博多間で国際線と国内線の乗客が相乗りする「混乗」運航するのを前に、対馬市などが17日、10月10日までのダイヤなどを発表した。混乗便は週1~3往復(8月は20日以降)し、島民割引運賃の設定を申請している。
 対馬市、JR九州高速船、九州郵船(福岡市)が同日、福岡市で協定を締結。対馬市の比田勝尚喜市長は「海の高速道路ができた。市民の宝だ。観光振興や地域活性化にも寄与する」と期待を寄せた。
 国際線と国内線の乗客が相乗りする「混乗」は全国初で、対馬市が長年、国に実現を要望していた。これまでフェリーで5時間50分かかっていた比田勝-博多が2時間10分に短縮される。混乗便はビートル(191席)2階の一部、26席を国内線とする。国際、国内線の乗客が接触できないよう固定可能なカーテンで仕切り、乗下船時間をずらし、港での通路を分けるなどの措置を取る。船の改装費用はJR九州高速船と対馬市が負担する。
 片道運賃は中学生以上で8820円、小学生4410円。島民割引運賃は中学生以上4800円、小学生2400円の見通し。団体予約は18日から、個人予約は乗船日の1カ月前からJR九州高速船が受け付ける。年末年始ごろまでのダイヤは7月中に発表する。九州郵船が博多-比田勝間で1日1往復運航するフェリーは混乗開始後も運航を続ける。
 同日は、JR九州を加えた4者で混乗便を活用した観光交流に関する連携協定も締結。新たな観光コースの企画などを検討する。

混乗に関する包括協定を締結した対馬市の比田勝市長(中央)ら関係者=福岡市、ホテル日航福岡

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