ベッテル、フェラーリF1が抱える不安要素はスピード、タイヤ、信頼性の問題と指摘

 セバスチャン・ベッテルは、2018年シーズンのフェラーリF1は、現在、決定的な3つの不安要素に直面していると語った。

 オーストラリアGPとバーレーンGPでベッテルが立て続けに勝利を挙げ、フェラーリは好調なスタートを切った。しかし続くアゼルバイジャンとスペイン戦では、メルセデスが勢いを取り戻してきており、ベッテルはメルセデスの方が有利になっているのではないかと危惧している。

「僕たちには十分なスピードがなかった」と直近のスペイン戦を振り返ってベッテルは言った。

「もし僕たちにそれが分かっていないとしたら、全く状況が見えていないということになる。最初のスティントでペースがなかったのは明らかだ」

 SF71Hへの大量のアップグレードをもってしても、フェラーリは突破口となるパフォーマンスを得られずにいる。

「全員がこのレースにアップデートを持ち込んだ。もしかしたら他のチームは僕たちよりもっと多くのものを持ち込んだのかもしれない」

 日曜日の決勝ではハミルトンが圧倒的な強さを見せた一方、ベッテルは2回目のピットストップを余儀なくされ、表彰台すら逃す結果に終わった。彼はタイヤもまた、現在スクーデリアが抱えるもうひとつの問題であることに同意した。

「僕たちは週末の間、タイヤに少々苦戦していたと思う」とベッテル。カタルニア・サーキットで新たにコースが舗装されたことへの対応として、ピレリはタイヤのオーバーヒートの問題を防ぐため、トレッドを薄くした仕様を持ち込んでいた。

「今回はタイヤが異なるものになっていて、もしかしたらそれは、僕らよりも他のチームに合うものだったのかもしれない。ピレリは全チームのための措置で、今回タイヤを変えた」

「僕たちが目指すのは他の皆より悪い状態になることではなく、良い状態になることのはずだ。タイヤの磨耗や寿命が他のドライバーたちと同程度でなかったのは、僕たちのミスだった」

 スペインに持ち込まれた特別仕様のタイヤがメルセデスに不公平な恩恵を与えたという説を唱える者もいるが、ベッテルはそうは考えていない。それどころか彼は、変更がなければフェラーリはさらに悪い状態だったかもしれないと認めている。

「もし僕たちが日曜日に今までと同じタイヤを使っていたら、おそらくもっと悪かっただろう。だからこれは正しい対応だったんだ」と、ベッテルはバルセロナでのインシーズンテストに随行している記者に向けて語った。

 信頼性の問題が浮上したことも、ベッテルにとっては懸念材料となっている。チームメイトであるキミ・ライコネンは金曜日のフリー走行後、予防策としてエンジンを交換しなければならなかった。しかしレースの25周目、彼はパワーユニットのトラブルによりリタイアを余儀なくされた。

 主要なパワーユニットコンポーネントは、シーズンを通してそれぞれ3基しか使用できないことから、ライコネンは今年後半にグリッドペナルティを科されるという可能性に直面している。そしてベッテルは、彼にも同じことが当てはまるのではないかと恐れている。

「次のレースに向けて、何が欠けているのか、その原因は何かということを理解することが重要だ。(スペインGPの)週末は信頼性の面で不十分だった。キミはエンジンに問題があり、レースをリタイアした」

「何度も言ってるけれど、このチームは強く、大きな可能性を持っている。でもいま抱えている問題に取り組む必要もある」

「言い訳を探すべきじゃない。肝心なのは僕たちは勝てるほどには速くなかったということだ。その問題に取り組まなければならない」とベッテルは締めくくった。

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