福祉現場のニーズを形に 地域の課題 事業に活用 佐世保高専学生

 佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の学生が地域の福祉の課題について学ぶ授業が17日、佐世保市広田町のカフェ「菜~さい~Nagasaki Cafe」であり、介護や障害者支援の現場で働く人と物づくりについて考えた。
 佐世保高専は昨年から、九州の学生が社会課題を解決するための事業計画を提案するコンテストに挑戦している。授業は、福祉関係者から地域の現状を直接聞くことでビジネスのアイデアを探し、起業への関心を高めてもらおうと初めて開いた。
 機械工学科と電気電子工学科の4年生8人が参加した。障害者の就労支援施設の職員やケアマネジャーなど7人が、▽どんな障害がある人も使いやすいトイレ▽家庭での入浴介助に使える低価格のリフト-などのニーズを現場での事例を交えて紹介。「人のつながりを大切にして」「商品を選ぶ介護者だけでなく介護される人のことも思い浮かべて」といった助言もあり、学生はうなずきながら熱心にメモを取った。
 吉田圭佑さん(18)は「自分たちで障害者の感覚を体験し、『こんなことをしてもらえたらうれしい』と感じたことを(事業として)実現したい」と話した。

県内の福祉関係者(左から2人目)から現場のニーズを聞く学生ら=佐世保市、菜~さい~Nagasaki Cafe

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