フジクラ、ワイヤハーネス工場をウクライナで増設 欧州の生産体制最適化

 フジクラはウクライナでワイヤハーネス工場を増設する。欧州地域で進めている生産体制最適化の一環。同社ではルーマニアの工場から、同じ東欧のウクライナとモルドバの工場に生産をシフト。人員を安定的に確保できる国での生産比率を増やし労務費を抑制するとともに、安定供給体制を強化している。ウクライナの工場は現在立ち上げに向け準備を進めている段階。同国のワイヤハーネス工場は3つめとなる。

 ルーマニアでは欧州連合加盟に伴って国外への出稼ぎが増加。同国のワイヤハーネス製造拠点では離職率の上昇で生産などのコストが高まっており、自動車電装事業の収益を圧迫している。その対応に向けて順次ウクライナとモルドバでの拠点増設と生産シフトを推進。ウクライナでは現在西部のリヴィウに2工場を有しているが、新工場は人員の確保がしやすいよう既存拠点とは別の場所に開設する。新工場の人員規模は数百人規模の見通し。

 同社ではワイヤハーネスを中心とする自動車電装事業で欧州の生産最適化と併せて生産性改善や体制に合った受注活動など様々な収益改善策に取り組んでおり、早期の事業黒字化を目指している。

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