黒歴史?かつて下部に沈んでいた強豪クラブたち

今季のJ1で首位を独走しているサンフレッチェ広島。

彼らは2012年の初優勝までいわゆる「オリジナル10」で唯一タイトルがなく、2003、2007年にはJ2での戦いを余儀なくされたが、それを契機に立て直し、この6年で3度もJリーグの頂点に輝いている。

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現代のプロサッカー界はまさに栄枯盛衰だ。彗星のごとく現れることもあれば、栄光は一瞬、あっという間に地の果てまで転げ落ちる弱肉強食の世界である。

そこで今回は、現在は“万人が認める存在”でありながら、実はちょっと前まで下部リーグに沈んでいた強豪クラブをご紹介しよう。

マンチェスター・シティ

世界有数のビッグクラブとして知られるマンチェスター・シティ。

しかし、1980年代中頃からしばらくは1部と2部を往復する時期が続いており、マンチェスター・ユナイテッドが欧州王者に輝いた1998-99シーズンには3部に在籍していたという過去がある。

2000年代に入ってもプレミアリーグで残留争いを強いられていた時期があり、こうした事実からも、シティが本当の意味でビッグクラブになったのはつい最近のことであることが窺える。

セビージャ

2013~2016シーズンまでEL3連覇を成し遂げたセビージャ。

今やリーガで強豪の一角を成す彼らだが、1997~1999、2000-01シーズンは2部落ちを経験している。まさにエレベーターチームだったわけだが、その当時に非常に大きな出来事もあった。

2000年にGKとしてプレーしていたモンチが現役を引退。その後、スポーツディレクターに就任した彼は辣腕を振るい、それに伴いチームも浮上していくのだ。

モナコ

いろいろな事情によって降格してしまったクラブはいくつもある。ただ、今フランスで『第2のクラブ』となっているモナコは、純粋に実力で2部に落ちたチームだ。

2010-11シーズン、パク・チュヨンらだいぶクセのあるメンバーを揃えたギー・ラコンブ監督のチームは全く結果を出せず。ホンジュラス代表FWジョージ・ウェルカムは全く歓迎されなかった。

しかし、2部に落ちたことでロシア富豪に買収されるチャンスを得て、そこから大復活を遂げたのである。

ユヴェントス

ユヴェントスとインテル。ともに一度も降格していない両者による一戦は「イタリアダービー」と呼ばれていた。その歴史に呆気なく幕が降りたのは2006年のこと。ご存知、カルチョーポリである。

ユヴェントスの首脳陣が審判への買収や脅迫に主犯的に関わっていたことが発覚。世界的なビッグクラブの不祥事は当然一大スキャンダルとなり、結局ユーヴェは不正があったとされる2004-05、2005-06シーズンのスクデットが剥奪され、セリエB降格の処分が下された。

あれから12年。一年でセリエA復帰を果たしたユヴェントスは、新スタジアムが完成した2011年以降リーグ7連覇を達成。再びイタリアの盟主の座に返り咲いている。

RBライプツィヒ

ここまで名門クラブの凋落をご紹介したが、ライプツィヒは全く逆のパターンだ。

彼らは約10年前まで5部リーグにいた全くの無名クラブだったが、世界的な飲料メーカーのレッドブルが買収すると状況が一変。知将ラルフ・ラングニックを迎えたクラブは、あれよあれよという間に世界最高峰の舞台、ブンデスリーガにまで上り詰めた。

このようなクラブは通常トップディビジョンでは苦戦を強いられるものであろう。しかしライプツィヒは昇格後1年目の昨季2位に入り世界を驚かせると、今季チャンピオンズリーグに初出場。リーグ戦も6位とまずまずの好成績を残し、今やバイエルンに次ぐ2番手の座を争う強豪としてその名を知られることになった。

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