海保6年ぶり観閲式 羽田沖

 海上保安庁は19日、創設70周年を記念した観閲式と総合訓練を東京湾の羽田沖で行い、テロ対策や海難救助など本番さながらの訓練を披露した。

 観閲式は尖閣諸島(沖縄県)周辺の領海警備の影響で2013年から中止が続いており、開催は6年ぶり。全国の海上保安部から24隻の巡視船艇のほか、米国沿岸警備隊の巡視船、海上自衛隊の護衛艦、さらに警察、消防なども加わり、船舶計37隻、航空機17機が参加した。

 観閲式のパレードでは、巡視船艇が1列になって航行し、ヘリや小型ジェット機が低空飛行を披露。タンカーの爆発火災を想定し、海に投げ出された人をヘリで引き上げて救助する訓練や、逃走するテロ容疑船を巡視艇やヘリで追い詰めて制圧する訓練が次々と繰り広げられ、見学者からは大きな拍手や歓声が起きた。

 訓練後、石井啓一国土交通相は、尖閣諸島周辺海域での外国公船の領海侵入や日本海での北朝鮮による工作船事件に触れ「(海上保安官は)領海警備や海洋権益の確保などに取り組んでいる。海上保安制度の創設70年の節目に当たり、海保への理解を深めてほしい」と述べた。観閲式は20日も実施される。

観閲式で「あきつしま」を先頭に1列縦隊で航行する巡視船艇=東京湾

© 株式会社神奈川新聞社