かくれ文字絵、堪能を 作家が地元で作品紹介

 平仮名を使って絵を描く「かくれ文字絵作家」で小田原市在住の小林真澄さん(61)の作品を紹介するイベントが19日、同市南鴨宮の市立かもめ図書館で開かれた。原画など約20点を展示するとともに小林さんが作品解説などを行い、市民ら約50人が耳を傾けた。市民有志でつくる「小田原の図書館を考える会」の主催。

 小林さんは市内の小中学校などで教員をしていたが2008年に退職。その後は創作活動に打ち込み、個展の開催や書籍の刊行など国内外で活躍している。

 小林さんは、たくさんのチューリップが描かれた作品は童謡「チューリップ」の歌詞を使って制作し、夏目漱石らが描かれた作品には「なつめそうせき」「ぼっちゃん」「いなご」など関連する言葉を使用したと解説。参加者の名前の文字を使い即興で顔などを描くパフォーマンスを披露すると、会場から歓声が上がった。

 小林さんは「地元で作品を知ってもらう機会が少ないので、ありがたい」とあいさつ。参加した同市の無職福盛靖恵さん(73)は「文字だけで絵が描けることにびっくりした」と声を弾ませていた。

自身の作品を解説する「かくれ文字絵作家」の小林さん=小田原市南鴨宮

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