元広島・木村昇吾のクリケット挑戦、本場インドの地元紙も「冒険」と注目

横浜・広島・西武で活躍した木村昇吾(写真は広島所属時)【写真:荒川祐史】

本場インドでも注目!? 木村は「インドでプレーする最初の日本のプロ野球選手になろうとしている」

 クリケット選手に転身した元広島の木村昇吾が、本場インドのメディアに登場し、話題となっている。インド紙「ムンバイ・ミラー」が「インディアン・プレミア・リーグ出場をかけたプロ野球選手の冒険」と題して、特集記事を掲載。将来的に世界最高峰のインドリーグでプレーする可能性もあると伝えている。

 記事によると、木村はインドでクリケットの試合を観戦したという。取材に対して、本人が「アイアム・ア・クレイジー」と「満面の笑み」で語ったことも紹介。そして、「ショウゴ・キムラはプロのクリケット選手に転身してインドのプレミアリーグでプレーする最初の日本のプロ野球選手になろうとしている」と伝えた。

 木村は2002年のドラフト11位で横浜に入団し、2007年オフに広島にトレード移籍。内野のユーティリティープレーヤーとして活躍し、2015年オフにFA権を行使したが、移籍先が決まらずに入団テストを経て西武と契約した。しかし、2016年6月に右膝前十字靭帯断裂の大怪我を負い、同年オフに育成契約に。昨年、再び支配下選手となったが、シーズン終了後に戦力外となった。

 12球団合同トライアウトに参加したものの、移籍先は見つからず。そして、クリケットに転向した。特集では、打ち方の修正が大変なこと、1月に練習を始めたこと、日本代表強化選手団に選出されたこと、などに言及。さらに、日本ではプロリーグがないため、週末しか一緒に練習できず、木村が動画サイトなどで打ち方を学んだことも紹介している。

「オーストラリアで好印象を与えれば、インドのIPL球団は彼をチームの一員として招待する」

「ベテラン選手が新しいスポーツに取り組むため、本質的には、彼はまた真っさらなルーキーになった。『子供のような気持ち』。そう言うと弾ける笑顔を浮かべた」

「何によって彼の挑戦は成功となるのか質問され、木村は単刀直入に言った。『IPL(インディアン・プレミア・リーグ)です』。これが大博打であることを受け止めつつ、できると信じなければそれはすでに失敗であると指摘した」

 特集からは、木村が前向きにクリケットに取り組んでいることが伝わってくる。

 木村は、まずはシーズンがすぐに始まるオーストラリアでの契約を望んでいるという。その上で「もし彼がオーストラリアで好印象を与えれば、インドのIPL球団は彼をチームの一員として招待するだろう」と分析。そして、「2020年にはキムラは40歳になり、彼はそれまでに成功しなければ成功はないと算段している。もし彼がそのクレイジーな冒険を成功させたら日本のクリケットに与える影響はどのくらいだと思っているのだろうか?」とした上で、本人が「それは革命になるでしょうね」と答えたことにも言及している。

 野球ファンを驚かせたクリケット選手としての再出発。木村は目標を見据え、着実に前に進んでいるようだ。

(Full-Count編集部)

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