迫害のキリシタンしのぶ 雲仙殉教祭に1300人

 キリシタン弾圧による殉教者をしのぶ「雲仙殉教祭」が20日、長崎県雲仙市内であり、県内外から信者約1300人が参列した。
 カトリック長崎大司教区が毎年開催し35回目。江戸時代初期、雲仙地獄は信者を湯つぼに投げ落とすなどして迫害や拷問に使われていた。島原半島には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つ、国指定史跡の原城跡(南島原市)がある。長崎北地区評議会の松山勝則議長は、同関連遺産が世界遺産登録に向けて機運が高まっていることに触れ「多くの人に殉教の歴史も知ってもらいたい」とあいさつした。
 ミサは高見三明大司教が司式。参列者は祈りや聖歌をささげ、迫害を受けても信仰を捨てなかった人々の遺徳をたたえた。ミサ終了後、参列者は雲仙地獄内にある殉教者記念碑まで巡礼行列をした。

キリシタン弾圧による殉教者の遺徳をたたえた雲仙殉教祭=雲仙市小浜町、雲仙メモリアルホール

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