三井物産プラントシステム、加・TEKNA(テクナ)と販売店契約 プラズマ装置と金属粉末、3Dプリンタ向け需要増に照準

 三井物産プラントシステム(本社・東京都港区)は、カナダのTEKNA(テクナ、本社・ケベック州シェルブルック)社と販売店契約を締結した。金属系粉末で高い技術力を持つテクナの製品を日本市場で提案し、今後の需要増が見込める3Dプリンタの原料向けなどで売り込んでいく。

 テクナは大学発ベンチャーで1990年に発足し、従業員は150人規模。高周波電源で電極を用いない独自技術のプラズマ装置に定評があり、高純度かつ流動性が高い金属粉末を造ることができる。三井物産プラントシステムは、このプラズマ装置や金属粉末を販売する。

 金属粉末は航空宇宙や医療用の部品に使われる「64チタン」や、自動車向けに使われるアルミ合金、モリブデン、タングステンなど。リチウムイオン電池の負極材で使われるシリコンや、プリンテッドエレクトロニクスで使われる銅のナノ粉末も製造できる。

 テクナはプロセス技術を駆使し、用途に応じて顧客と金属粉末を共同開発できる強みがある。三井物産プラントシステムは品質と価格の両面で同社製品に競争力や将来性があると見て販売店契約に至った。

 3Dプリンタを使った金属部品は世界的に注目を集めている。特に欧州では急速に普及しており、テクナも現在フランスで粉末工場を建設中だ。今後、日本でも実用化が進む中で「海外の先端技術を取り入れる機会になれば」(三井物産プラントシステムの田中信光・重機械輸入部長)と期待されている。

 販売は三井物産グループで協力し、将来的には装置向けのサービス体制構築や金属粉末の在庫なども検討していく。

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