古河電工、フィリピンのハーネス工場拡張 北米での受注増に対応

 古河電工は21日、フィリピンのワイヤハーネス工場を拡張すると発表した。北米での受注拡大に対応することが狙い。ワイヤハーネスは電線を人手で車載回路に組み立てる労働集約的な製品。増産のため人材確保が重要で、若い労働人口が多いフィリピンで投資を決めた。生産子会社のフルカワ・オートモーティブ・システムズ・リマ・フィリピン(FALP)で土地を取得し、2019年2月までに建屋面積を5万平方メートルに倍増。従業員は3千人増員する。総投資金額は約100億円。

 古河電工ではメキシコに加えフィリピンやベトナムからも製品を供給する体制を整えていることが認められ、北米地域で日系や米系の自動車会社から世界戦略車のワイヤハーネス受注を内定した。メキシコと遜色(そんしょく)ないコスト競争力を実現でき、人材確保で利点があることからフィリピンで増産投資を実施する。

 FALPでは敷地を現行の12万平方メートルから18万平方メートルに広げ、建屋面積は2万4千平方メートルから5万平方メートルに増やす。併せて5500人の人員体制は8500人まで増強する。生産工場・設備と合わせて倉庫にも投資する予定。

 古河電工では生産体制を世界的にさらに強化して自動車会社の需要に対応。22年までにはワイハーネスの売上高を2割拡大させる計画となっている。

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