不審な電話は“ワン”コール 広報犬に豆柴「空」任命 特殊詐欺防止へ松浦署(長崎)

 松浦署(川本浩二署長)は本年度、特殊詐欺被害の新たな防止策として、不審な電話を受けたときにまず警察や家族に電話することを呼び掛ける「ワンコール運動」を始める。同署は22日、「ワン」の鳴き声で運動を浸透させる広報犬として松浦市志佐町の飲食店経営、岩本美枝子さん(69)の豆柴犬「空」(雄、1歳)を任命した。
 同署によると、県警が動物に広報業務を委嘱するのは県内初。運動は、詐欺とみられる電話を受けた際には必ず警察や家族に相談することを根付かせる取り組みで、2018年のえとにかけ「ワン」と鳴く犬に広報活動を支援してもらうという。
 同署で委嘱状交付式が開かれ、「空」は女性署員が約2週間かけて製作した制服と制帽を着用して出席。川本署長が「被害防止にご協力を」と声を掛け、飼い主である岩本さんに委嘱状を手渡した。
 同署管内の17年の特殊詐欺は3件発生し、被害額は約600万円。岩本さんは「被害が絶えないというニュースをよく見掛ける。とにかく誰かに相談するという運動を広めていくことができれば」と話した。
 「空」の任期は18年度末まで。今後、防犯イベントのほか交通事故防止の啓発活動などに参加し、安心安全なまちづくりに協力する。

特殊詐欺被害の防止を目指す「ワンコール運動」の広報犬として委嘱を受けた「空」と飼い主の岩本さん(中央)=松浦署

© 株式会社長崎新聞社