北京、ロンドン、リオデジャネイロと3大会連続でパラリンピックに出場した競泳の小山恭輔さん(30)=日鉄住金P&E所属=が22日、川崎市麻生区の市立西生田中学校で特別授業を行った。「ばかにされたっていいから、夢を持ってください」と訴え、2020年東京パラリンピックでの金メダル獲得を生徒たちに約束した。
市の人権尊重教育推進校としての授業の一環で、全校生徒や保護者ら約500人が耳を傾けた。小山さんは中学2年のときに脳梗塞を患い、右半身に機能障害が残り、「生きている価値がない」と絶望の淵に沈んだ経験を語った。友人らの励ましや競泳との出会いが支えになったという。
専門の50メートルバタフライで北京で銀、ロンドンでは銅メダルをそれぞれ獲得。20年の東京ではメダル候補の一人だ。「かっこいいな、と思ってもらえるのが夢。楽して、楽しいことはできない。感謝の気持ちを忘れずに笑顔でいること」の大切さを生徒たちに優しく伝えた。
3年生(15)は「自分を持つことの大切さが心に残った」。2年生(14)も「今は夢はないけど、興味のあることにどんどん挑戦したい」と触発された様子だった。