関西の電炉鉄筋メーカー、鋼種エキストラ改定急ぐ 合金鉄値上がりに対応

 中山鋼業など関西地区の電炉鉄筋メーカー各社は、SD390など強度の高い鉄筋製品の鋼種エキストラ改定を急いでいる。鉄筋強度を高めるため製鋼の際に投入する合金鉄の値上がり分を吸収するためだ。

 中山鋼業が今月9日、6月契約分からSD390についてエキストラ価格を1千円引き上げて6千円とすると打ち出した。

 共英製鋼も18日、主力の山口事業所(山口県山陽小野田市)で、7月1日契約分から鋼種エキストラでSD295ベースに対して、SD390=6千円、SD345=3千円、SD490=2万円と、サイズエキストラでもD51ミリについてベースサイズ比2万円を固めていく。

 関西ではこのほか、岸和田製鋼が「調査中だが、エキストラ改定は必須」としているほか、JFE条鋼も改定に向け動きだしている。

 メーカーによると、鉄筋の高強度化に必要なフェロバナジウムなどの合金鉄は、中国などからの輸入品も多く、2年ほど前に比べて2~3倍値上がりしているという。

 併せて電極や耐火レンガなどの値上がりで、合金鉄を含む副資材で4月から製品1トン当たり4千円前後のコスト高になっており、このコスト上昇分の製品価格転嫁を急いでいる。

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