金属行人(5月23日付)

 業務用エアコン・配電盤・モーターなど「雑品スクラップ」の輸出量が今年になってから大幅に減っている。関西鉄源協議会調べによると、この1~4月期の大阪湾岸船積み数量は約4万2千トン。前年同期比で4割以上の大幅減となった▼これまで雑品の再資源化・リサイクルは中国に依存していたが、今年から輸入が規制され始めた。来年にも中国は輸入しなくなる▼引き受け手がなくなることから、関係者は「不法投棄が問題化するのではないか」と指摘する。すでに環境省は4月から「有害使用済機器」と位置付け、規制し始めている▼一般家庭や事務所から排出されるテレビやエアコンなどを対象とした家電リサイクル法が施行されたのは2001年、またパソコン・携帯電話・デジタルカメラなどを対象に小型家電リサイクル法が施行されたのは13年。だが、こうした家電製品の回収率はわずか数%、1割に満たないとの試算もある。家庭の一般ごみとして捨てられると回収するのは難しくなる▼雑品スクラップは、どこにでも、どのような業態であっても発生するもの。それを再資源化・リサイクルできるかどうかは排出側、つまり私たち一人ひとりの行動によって決まるところも大きいのではないか。

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