ロッテ3年目右腕が突き詰める“ストレートの質” 154キロ+必要なものとは

ロッテ・高野圭佑【写真:荒川祐史】

ロッテの3年目・高野圭佑投手の武器は力強いストレート

 プロ入りからこだわっているのが“ストレートの質”だ。プロ1年目の2016年、ロッテの高野は「バッターのレベルも(社会人時代よりも)上がっているので、真っ直ぐでいかにファウルを取れるか。追い込まれるまで、どれだけバッターを押し込めるか。ストレートの質に気を付けて投げています」と社会人時代に比べて打者のレベルも上がったプロの世界で生き抜くために、ストレートの向上を課題に挙げた。

 翌2年目はストレートを武器に紅白戦から7試合連続で無失点と、開幕1軍入りへアピールした。しかし、打者のレベルが上がってきたオープン戦終盤に失点を重ね、開幕2軍スタートとなった。この時、高野は「(打たれたのは)バッターどうこうという話ではないです。ストレートの質を高めることと維持していくこと。そこができない限りは、なかなか厳しいのではないかと思っている」と反省した。

「シンプルに球速をもう一段階上げたいところと、球の状態をもっと良くする。回転数、回転軸であったり、見え方だったりを工夫していかないと。速い中にも質がある。もうちょっと突き詰めないといけない」。

 ストレートの質を高めるため、携帯電話にあるボールを測定する機会を使って、回転数、回転軸、球速がどの方向に回転しているのか、自分の感覚と比べて実際にどれくらいの球を投げているのかを研究した。

プロ入りから3キロアップし今季は154キロを計測

 シーズンが開幕してから2か月。高野に改めてストレートについて話を聞いてみると「自分の中では良い手応えでやれています。プロ入りのときは151キロだったんですけど、154キロまで出るようになった。ある程度形ができてきました」と手応えをつかんでいる。

 また、変化球については今年1月の時点で「ストレートを基準にした変化球を考えている。回転軸をあわせるという意味ではパワーカーブ」と習得を目指していた。

 シーズンが始まってからは「感じとしては投球のスパイス。打者には(パワーカーブが)あるよと見せたりしているくらい。割合としては少ないですね」と多投はしていない。ただ、「体の回転には良い方向に動いて投げられていると思います」と効果をもたらしているという。

 千葉ロッテの中で、150キロを超えるボールを投げられる投手は少ない。持ち味であるストレートに磨きをかけ、1軍昇格を目指していく。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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