児童虐待が過去最多、川崎市 17年度、相談・通告2368件

 川崎市は22日、2017年度に市内3カ所の児童相談所で受理した子どもへの虐待の相談・通告件数が2368件(前年度比234件増)で、過去最多を更新したと発表した。

 市児童家庭支援・虐待対策室によると、内訳では「心理的虐待」が1393件(同156件増)で、およそ6割を占めた。児童虐待防止法は、子どもがドメスティックバイオレンス(DV)を目の当たりにして心理面に傷を負う「面前DV」も虐待と定義している。市は面前DVに関する警察からの通告の増加が要因とみている。「ネグレクト(育児放棄)」は514件(同112件増)。16年度から各区に地域みまもり支援センターが設けられ、地区担当になっている保健師が「不適切な保育」として通告するケースが増えたとみられる。「身体的虐待」は449件(同24件減)、「性的虐待」は12件(同10件減)だった。

 年齢別では、就学前が1149件で、全体のほぼ半数を占めた。以下、小学生(744件)、中学生(294件)、高校生・その他(181件)の順。区別では、川崎区(510件)、宮前区(425件)、高津区(420件)の順に多かった。

 各区に寄せられた相談・通告件数は895件(同154件増)だった。

 同室は「児童虐待に対する社会的な関心が高まり、今までためらっていた人も相談・通告するようになったことが件数の増加につながっている。児童虐待は早期発見が重要で、相談・通告の内容をしっかりと受け止め、早期対応に努めたい」としている。

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