「岩倉使節団」のパネル設置 出航の地、象の鼻パーク

 幕末に欧米諸国と締結した不平等条約の改正交渉のために、1871年に海を渡った「岩倉使節団」が横浜から出発する様子を描いた絵画パネルが、出航の地である象の鼻パーク(横浜市中区)にお目見えした。市民のほか、海外からの観光客にも好評を博している。

 ことしが「明治150年」に当たることを記念し、岩倉具視(ともみ)を全権大使とする欧米使節団を知ってもらおうと、市教育委員会が設置した。

 パネルの原画は、長く葉山町に住んだ日本画家の山口蓬春の「岩倉大使欧米派遣」(聖徳記念絵画館所蔵)。横浜港から出航する、岩倉、木戸孝允、大久保利通の姿のほか、明治期の港の様子を描写している。絵画の中央には現在の象の鼻防波堤に当たる突堤も描かれており、当時と現在の姿を見比べることができる。

 絵画パネルの隣には説明板も設置。岩倉ら使節団が、欧米の国家制度や産業技術などを学び、日本の近代化を進めるために欧米を目指したことなどを紹介。英語の案内も併記されており、英国から観光で訪れた男性は「とても素晴らしい」とパネルに見入っていた。

 市教委生涯学習文化財課は「意外と知られていない、横浜と関係の深い岩倉使節団のことを知ってほしい」と話している。

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