2016年、19歳でリオ・デジャネイロ・パラリンピックに初出場を果たした。7歳からの目標をかなえたが、結果は最も力を入れてきた200メートル個人メドレーで全体の13位にとどまり、予選敗退…
それから2年。
我々が一ノ瀬選手をたずねた場所は、近畿大学東大阪キャンパス。彼女は50メートルの室内プールで、50名を超える部員達と共に練習に打ち込んでいた。
名門・近畿大学水上競技部を指導するのは、アテネオリンピック200mバタフライで銀メダルを獲得した山本貴司監督。プールサイドには、山本監督が現役時代から常々口にしてきた言葉が掲げられていた。
「勝たなおもろない!!」
現在、近畿大学4回生になった一ノ瀬選手も、入学以来毎日この言葉を噛みしめている。「リオはただただ悔しい思いをして、監督の『勝たなおもろない!!』を痛感しました。次の東京ではトップレベルで戦って、表彰台に上がりたい」
そう話す一ノ瀬選手は、決意を新たに2020年の東京へ向かってたゆまぬ努力を続けている。
一ノ瀬メイ(いちのせ・めい)
1997年3月17日京都府生まれ 21歳
近畿大学水上競技部所属
先天性の右前腕欠損症。1歳半から京都市障害者スポーツセンターで水泳を始める。2010年、中学2年時に史上最年少の日本代表でアジアパラに出場し、50メートル自由形で銀メダルを獲得。高校3年時には、全国高等学校英語スピーチコンテストで障害の「社会モデル」についてスピーチして優勝。2016年3月のリオ日本代表選考会では200メートル個人メドレーで日本新を樹立。リオでは8種目に出場し、100メートル自由形では3年ぶりに自己ベストを更新した。
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