CL決勝で「サプライズ」を起こした5つのチーム

キックオフが近付いてきた今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝。

そこで今回は、大会の名称が現在のものになった1992年以降の決勝で「サプライズ」を起こした5つのチームを振り返る。

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なお、選出者は編集部Sの独断とする。

1. マルセイユ

シーズン:1992-93シーズン
対戦相手:ミラン(1-0)
得点者:バシール・ボリ(43分)

当時、黄金期を迎えていたミラン。

ライカールト、フリット、ファン・バステンの「オランダトリオ」を擁し、1989年から1990年にかけて連覇の偉業を成し遂げていた。

そんなミランを相手に勝利し、CLとしての初の王者に輝いたのがマルセイユだ。

当時のチームにはGKバルテズやMFデサイー、MFデシャンなど将来のフランスを背負って立つ若いタレントがおり、経験で遥かに上回るミランに1-0で勝利した(決勝ゴールは元浦和のボリ)。

しかし、後にリーグ戦での八百長が発覚。タイトルこそ剥奪にはならなかったが、王者としての活動が禁止になるなど試合後に待っていた結末も「サプライズ」と呼べるものだった。

2. アヤックス

シーズン:1994-95シーズン
対戦相手:ミラン(1-0)
得点者:パトリック・クライファート(85分)

1980年台後半から1990年代前半はミランが欧州を席巻していた時代だが、その一方でそうした“巨人“を相手にサプライズを見せるチームもいくつか現れた。

連覇を狙っていたミランがこの年の決勝で対戦したのは、若手主体のメンバーで勝ち上がったアヤックスだった。

試合はミランが優勢に進めるもファン・デル・サールからゴールを奪うことができず、0-0のまま推移。すると85分、当時弱冠18歳だった途中出場のクライファートが一瞬を突き、ミランから決勝点をマークした。

1970年台に三連覇を成し遂げるなど栄華を誇ったアヤックスだが、欧州制覇はこれが22年ぶりの出来事だった。

3. ボルシア・ドルトムント

シーズン:1996-97シーズン
対戦相手:ユヴェントス(3-1)
得点者:カール=ハインツ・リードレ(29分、34分)、ラース・リッケン(71分)/ アレッサンドロ・デル・ピエロ(65分)

ドルトムントのサポーターにとって、伝説になった試合がある。若きジダンを擁するユヴェントスに勝利した、1996-97シーズンのCL決勝だ。

ドルトムントはリードレの2得点で2点のリードに成功するも、直後にデル・ピエロの華麗なゴールが決まりスコアは2-1に。すると71分、途中出場のリッケンがファーストタッチで美しいループシュートを突き刺し、勝負を決めた。

リッケンが決めた際、実況が話した"Ricken Lupfen jetzt Jaaaaa!!!"というフレーズはファンの間でお馴染み。強豪相手に下馬評を覆し、初のCLタイトルを勝ち取った。

4. リヴァプール

シーズン:2004-05シーズン
対戦相手:ミラン(3-3, 3-2 on penalty)
得点者:スティーヴン・ジェラード(54分)、ヴラディミール・シュミツェル(56分)、シャビ・アロンソ(60分)/  パオロ・マルディーニ(1分)、エルナン・クレスポ(39分、44分)

サッカー史に残る大逆転劇の一つとして知られる2004-05シーズンの決勝。

グループステージから数々の奇跡を起こしたリヴァプールは、決勝の舞台で百戦錬磨のミランを相手に0-3の状況から6分間で追いつき、PK戦の末勝利を手にした。

「イスタンブールの奇跡」と呼ばれた説明不要の一戦であるが、当時のミランにはマルディーニやネスタ、スタム、カフー、セードルフといった経験十分な選手が多く、これだけのチームがなぜあれだけのリードを守れなかったのか不思議でならない。

「衝撃の結末」という意味では後半アディショナルタイムに2ゴールを奪い逆転した1998-99シーズンのマンチェスター・ユナイテッドも同じだが、サプライズ的な要素はこちらの方が強いだろう。

5. チェルシー

シーズン:2011-12シーズン
対戦相手:バイエルン(1-1, 4-3 on penalty)
得点者:ディディエ・ドログバ(88分)/ トーマス・ミュラー(83分)

様々な逆境をはねのけ、ヨーロッパの王者に輝いたのが2011-12シーズンのチェルシーだ。

アリアンツ・アレーナで行われたこの年の決勝で、チェルシーが対戦したのはなんとこの会場をホームとするバイエルン。83分に失点し万事休すかに思われたが、直後の88分にドログバが起死回生の同点ゴールを決めチェルシーが土壇場で追いついた。

試合は延長戦でも決着が付かずPK戦に突入すると、5人目のキッカーである名手シュヴァインシュタイガーが失敗。するとドログバ最後のキックをしっかりと沈め、チェルシーが初めて欧州王者に輝いた。

あのジョゼ・モウリーニョでも成し遂げることが出来なかった欧州制覇。それを実現したのは、アンドレ・ヴィラス=ボアスの解任によって暫定監督のロベルト・ディ・マッテオだったというのは驚き以外の何物でもない。

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