貴重な親子チャンピオンのイベント走行、またどこかでぜひ/F1モナコGP現地情報

2018年F1第6戦モナコGP、ストライキの影響で40時間近くの旅となったムッシュ柴田氏が現地の様子をお届けします。

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5月のフランスというと、シャンソンの名曲『サクランボの花の咲く頃』で歌われたような美しい季節なんですが、実は『ストライキの季節』でもあることを、うっかり忘れておりました。

で、フランスのニュースをチェックするのを怠けたまま羽田からパリに着いたら、ニース行きの乗り継ぎ便がいきなり欠航でした(涙)。管制官のストなんだそうな。

かろうじて運行してる便は超高額だし、翌朝の新幹線TGVに乗ることにしました。その場でパリ北駅近くの安宿を予約して、部屋に着いた時にはもう夜10時近く。この時期のパリはその時間でもまだ日が暮れたばかりですが、何だか物悲しい風景でした。

UBERを呼んで、リヨン駅まで向かい、ヨーグルトやらコーヒーを買い込んで、7時過ぎのTGVに乗りました。6時間の長旅なので1等車を奮発しましたけど、約1万円。相変わらず、新幹線よりお得感があります。

午後1時過ぎ、ようやく終点ニース駅に着きましたが、モナコ行きの在来線は45分後。こちらもストの影響で、間引き運転中なのでした。おまけに駅前のPaulは、「不審な荷物が放置されてる」とかで爆発物処理班が来るまで立ち入り禁止と、騒然とした雰囲気。

モナコのメディアセンターに着いたのは、午後3時前でした。日本の自宅を出てから、かれこれ40時間近くかかったことになります・・・。でもくたびれてるヒマはなく、

2年ぶりのモナコ出場となるアロンソ囲みに行ったり、

ホンダ製スクーターの贈呈式を取材したり、

フェラーリのモーターホームでとろけるような生ハムをいただいたら、だいぶ元気が出ました。

そして翌朝は、ホンダ朝食をご馳走になって、これで完全復活しました。やっぱり和食の威力は、絶大です。

この日はケケと二コ・ロズベルグの親子チャンピオンが、それぞれタイトルを獲った当時のマシンでモナコ市街地コースを走るイベントも行なわれました。

ただ事前告知もほとんどなかったため、2台が走ってるのを見ても、ほとんどの観客は何だかよくわからなかったと思います。親子2代チャンピオンはグラハムとデーモン・ヒル親子が史上初ですが、グラハムが事故死したために二人がいっしょにF1マシンを走らせることはついにありませんでした。それぐらい貴重なイベントだっただけに、あっさり終わってしまったのはちょっと残念。

個人的にはそれよりも、ブレンドン・ハートレーが「次のカナダで、ホンダも改良版を投入するよ」と、うっかりバラしてしまったことの方が、気になりました。ホンダ側はもちろん、ノーコメントでしたけど……。

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