初参戦のティクトゥム「本当に未知の経験だけど、どんどん適応してきている」/スーパーフォーミュラ第3戦SUGO

 5月26日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が行われているスポーツランドSUGOでサタデーミーティングが行われ、今大会がスーパーフォーミュラ初参戦となるダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)が登場。スーパーフォーミュラ参戦への意気込みを語った。

 サタデーミーティングはJRP(日本レースプロモーション)が主催する恒例のメディア向け会見。この日登場したティクトゥムは、TEAM MUGENのレギュラードライバーである福住仁嶺の代役として第3戦SUGO、第4戦富士スピードウェイに参戦する。福住が並行して参戦しているFIA F2に出場し、日程が重なるスーパーフォーミュラ第3戦、第4戦を欠場するためだ。

 ティクトゥムはイギリス出身の18歳ドライバー。2017年の第64回マカオGPでは優勝を飾り、2018年シーズンはFIAヨーロピアンF3選手権に参戦中である。スーパーフォーミュラへの参戦は今回が初めてで、来日自体も初。

 スーパーフォーミュラマシンの初ドライブとなることはもちろん、第3戦、第4戦が開催されるスポーツランドSUGO、富士スピードウェイでの走行も初めてとなる。ティクトゥムは会見のなかで、まず走行の感触について語った。

「(今週の)月曜に日本に到着したんだ。SUGOもスーパーフォーミュラも初めてだけど、素晴らしい経験をしている。SUGOについてはシミュレーターで走ってもいないから本当に未知の経験だけれど、金曜の専有走行と土曜午前のフリー走行でどんどんマシンに適応してきているよ。(SUGOの)コースも素晴らしいね。イギリスにも似たようなコースがあるんだ」

 来日後、ティクトゥムはジェームス・ロシターと会い、スーパーフォーミュラのマシンの特徴などについていくつかアドバイスをもらったという。さらに来日前、ヨーロッパにいる関係者からもいくつかアドバイスをもらい、走行前からイメージはあったようだ。

「3月にF2のテストをしたけど、マシンの感触はそれに似ている気がする。スーパーフォーミュラのほうがダウンフォースがあってドライブしていて楽しいけどね」

ティクトゥムは混戦のQ2でチームメイトに迫るタイムを記録したがQ3進出はならなかった

 ティクトゥムはスーパーフォーミュラ初走行となった金曜専有走行で10番手、土曜午前のフリー走行は11番手。ノックアウト方式の公式予選ではチームメイトの山本尚貴(TEAM MUGEN)に0.083秒差まで迫ったが9番手。Q3進出を逃している。

「タイヤについてもミディアムとソフトの両方で走っていて、短い時間のなかでは慣れてきていると思う。ただ1周が短いから、コースが混雑するのが難しいところだね」

 自身のドライビングスタイルについては「以前、(F1に参戦しているマックス)フェルスタッペンに似ていると言われたことがある」という。

「でも、比べると僕の方が部分的にはより優れていると思っている。もちろん成長しながら頑張っているところだけどね。僕はとてもアグレッシブなドライビングスタイルだと思っているし、チャンスは絶対に逃さない。プラスになるリスクをとりながら走るスタイルだと思っている」

 2戦の代役参戦で、気になるのが来シーズンの選択肢に、スーパーフォーミュラが入るのかというところだ。「2019年シーズンはどうなるかまったくわからない」とティクトゥム。

「どんなシリーズを戦うことになってもいいように準備は整えるつもりだよ。ただ、日本のファンから温かい歓迎を受けているし、東京も気に入った。スーパーフォーミュラで戦えたらうれしいね」

 ちなみにあこがれのドライバーはアイルトン・セナとジェームス・ハント、そしてルイス・ハミルトンなのだとか。

「ハミルトンはファッションだったり振る舞いなどで批判を浴びることが多いけど、彼は小さいころから1番になることを目標にしてきたドライバーだ。これだけ批判を浴びるのはジェラシーの裏返しだと思うよ」

自身初のスーパーフォーミュラ予選を終え、エンジニアと言葉を交わすダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)

 持ち前のアグレッシブさで、上位進出をねらうティクトゥム。決勝は9番手からと中団からのスタートだが、台風の目となるか。

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