プーチン氏、案の定遅刻

By 太田清

ロシアのプーチン大統領(ロイター=共同)

 モスクワのクレムリンで26日、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領の間で日ロ首脳会談が行われたが、案の定、プーチン氏が48分間遅刻した。首脳会談の開始予定時刻に突然、新たに任命された閣僚との会合を開いたのが理由だというが、安倍首相との会談に遅刻したのはこれが初めてではない。 

 2016年12月15日に来日した際には、安倍首相との会談場所である山口県長門市への到着が2時間40分遅れた。到着の遅れはモスクワでシリア問題などに対応するためだったという。 

 17年7月7日にドイツ北部ハンブルクで行われた会談では、1時間半ほど遅れ、珍しくも会談冒頭で「おわびしたい」と遅刻をわびた。直前の米ロ首脳会談が長引いたのが理由。 

 同年4月27日にモスクワで行われた首脳会談でも、予定時間から30分遅れた。理由は明らかにされず。 

 遅れるのはほとんどプーチン大統領だが、安倍首相と言えば15年9月28日に、ニューヨークの国連本部で行われた会談で、先に到着していたプーチン大統領の元に小走りで駆け寄り握手。その際の映像が中国のSNSで話題となり、「礼儀正しい」「かわいい」などと日本人のまじめさが〝評価〟されることに。 

 英国のエリザベス女王やローマ法王フランシスコ、メルケル・ドイツ首相ら世界の要人に対しても遅刻を繰り返す世界的な遅刻魔のプーチン氏だが、あまりの頻度に、「相手より格上に見せるため、わざとやっている」との説も。 しかし、13年に離婚したリュドミラ夫人が「私はデートに遅れたことはないのに、彼は1時間や1時間半遅刻するのはざら。泣きそうになったこともある」と回想しているのを見ると、生来の性格なのかもしれない。

 安倍氏との今回の会談の直前に、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの場で行われた世界の投資家との会合でも遅刻。マクロン・フランス大統領との会談が長引いたのが原因だが、ロシアメディアによると「何億ドルとか何十億ドルとかのお金がかかっている具体的な仕事に関わり責任を負っているあなた方とは違い、私や私の同僚は具体的な仕事はなく、だから話したり夢想したりするのが好きなのです。結果的に時間が延びてしまう」とあまり面白くない冗談を飛ばし、反省するそぶりは少しも見せなかった。 (共同通信=太田清)

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