「3人以上 産み育てて」 自民県連大会で加藤氏「全国から賛同」 県議は批判と擁護

 10日の派閥会合で結婚披露宴に出席した際に「3人以上産み育てて」と呼び掛けていると発言した自民党の加藤寛治衆院議員=長崎2区=は27日、長崎市で開かれた党県連定期大会で、発言について「全国から賛同、激励も多数寄せられた」と述べた。
 新婚夫婦への発言が地元島原市の出生率上昇に「多少はためになったのでは」と認識を示し、野田聖子女性活躍担当相の「そういうことを言っても子どもは増えない」との指摘は「当たっていない」と異論を唱えた。
 加藤氏は発言を「誤解を与えた」と撤回していた。大会終了後、記者団に対し「正当か、間違いかは批判と賛同があるから私に問うても仕方ない」と語った。一方、共産党女性県議らと一緒に会見して加藤氏に抗議した自民党女性県議について「問題だ」と述べた。
 県連会長の加藤氏は冒頭あいさつで、一連の発言について大半の時間を割いた。3人以上求める理由として「新郎新婦の老後を支えるため2人必要。世の中には子宝に恵まれない方々もいる。このような方々に無理を言うのは酷だから3人以上は必要」と派閥会合で話したと紹介。発言に対する批判も「甘んじて受けなければ」としたが、「将来を考えたまっとうな意見」「理想としては3人が確か」などとする賛同メッセージが寄せられたとして次々と読み上げた。
 自民県議からは批判と擁護の声が交錯した。ある県議は「『加藤の乱』だ。発言を撤回しながらそれをまた撤回するようなあいさつ。(女性への配慮について)世界の今が見えていない」と批判。別の県議は「批判もあるなかで自己の正当性を長々と意見し、自己の発言の重さを理解していないのではないか」と疑問を呈した。
 一方、別の県議からは「人口を増やそうと思っての発言だと理解できるし、問題ない」「女性蔑視の意図はなく、逃げることなく真意をちゃんと語ったと思う」と擁護する声も出た。

定期大会で自身の発言について語る加藤氏=長崎市南山手町、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

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