日大選手に「グラウンドに戻って」 負傷した関学大QB

関大戦でパスを試みる関学大QB奥野選手(3)=撮影:山口雅弘

 5月27日に大阪・万博フィールドで行われた関学大―関大で、日大選手の悪質な反則行為で負傷した関学大の選手が、騒動後初めて試合に出場、試合後報道陣の取材に応じ、反則を犯した日大の選手が競技から退く意思を示したことに対し「選手として戻ってグラウンドで正々堂々とルール内でプレーし、また勝負できたらいい」と競技続行を願った。

 日大との定期戦(5月6日・東京)でのラフプレーで負傷したのは2年生クオーターバック(QB)の奥野耕世選手。これまで同選手の父親の意向で名前は非公表にしていたが、関学大の小野宏ディレクターはメンバー表にも名前が記載され、「スポーツの選手として試合に出ている」として公表を認めた。

 奥野選手は日大との定期戦で、パスを投げ終えて無防備な状態で背後からタックルされた。「何が起きたか分からず、気付いたら膝と腰の痛みとともに上を向いていた」と振り返った。

 それでも関大戦は攻撃を操るQBとしてTDパスを決めるなど大活躍。27―16の勝利に貢献し「タックルに対しての恐怖心はなかった。落ち着いてプレーできた」と語った。

 騒動のどのような決着を望むかについては「フェアで、すごい面白いスポーツとなって最後は終わってほしい」と神妙な面持ちで話した。 (47NEWS編集部=宍戸 博昭)

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