「男と女子中学生が行方不明」 SNS犯罪で訓練 長崎県警 追跡、保護の流れ確認

 長崎県警は28日、会員制交流サイト(SNS)で知り合った男と一緒に女子中学生が行方不明になったとの想定で訓練を実施。通信指令システムを活用して追跡し、保護するまでの流れを確認した。
 訓練は、昨年10月に神奈川県座間市のアパートから未成年者を含む9人の切断遺体が見つかった事件や、長崎県でも昨1年間にSNSや出会い系サイトに起因する誘拐や性犯罪で被害を受けた子どもが17人に上ったことなどを受けて実施。同種の訓練は全国初という。
 県警本部と稲佐署の計約20人が参加。午前9時ごろ、家出目的の女子中学生(15)がSNSで知り合った男と待ち合わせて車に乗ったとの想定。その後、中学生の置き手紙を見つけた母親が110番通報した。男の発言などから身の危険を感じた中学生が稲佐山の駐車場で男の目を盗んで通報し、その内容から警察が容疑車両を特定。最後は長崎市柿泊町の総合運動公園駐車場で中学生を保護した。
 県警本部通信指令室では、現場の捜査員に無線で通報内容を伝える手順などを確認した。本田哲祥通信指令課長は「悩み事は、SNSで知り合った見ず知らずの第三者ではなく、身近な家族や友達に相談してほしい」と呼び掛けている。

県警本部から指令を出す警察官と現場の捜査員の連携を確認した訓練=通信指令室

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