海自「いずも」横浜に再び 一般公開へ主催者に温度差

 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」が31日、横浜港に入港し、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)で6月1、2日に一般公開される。第37回横浜開港祭の一環で、同港入港は2015年10月に続き2回目。空母の保有は憲法違反となるため、政府は「護衛艦」と位置付ける一方、事実上の空母への改修を検討。専門家は「軍港でなく商港・横浜に入港し、イベントで公開するのは、空母化へ世論を地ならしする意図がある」と指摘する。

 自衛隊神奈川地方協力本部によると、いずもは今月31日午後に大さん橋に着岸。6月1、2日に艦内の格納庫や飛行甲板などを一般公開し、3日午前に出港する予定。前回入港時は多くの家族連れや艦船ファンが訪れた。

 横浜港での護衛艦の一般公開は2010年ごろから続く。経緯について、同本部は「自衛隊の広報として(主催する)横浜開港祭協議会や横浜港振興協会に提案し、3者で協議・調整した結果」と強調。一方、同協議会の広報の立場にある横浜青年会議所の担当者は「表向きは協議会として(自衛隊を)招いたということでいいと思う」。協議会の一員である市文化観光局の担当者は「『ぜひ来てください』と市が申し上げているわけではない。横浜青年会議所が決めた内容を市が追認しているにすぎない」とそれぞれ説明が食い違っている。

 昨年の開港祭では、弾道ミサイルを迎撃する航空自衛隊武山分屯基地(横須賀市)の地対空誘導弾パトリオット「PAC2」が大さん橋で一般公開された。PAC2の展示は当時、県内の市民利用施設では初めてで、大勢が見学に訪れる一方、市民から抗議の声が上がった。

F35B搭載の空母化へ検討されている護衛艦「いずも」=2015年10月、横浜港大さん橋国際客船ターミナル

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