母親4人で子育て情報誌 「シアワセjikan」創刊

 母親自らが見て聞いた情報を伝えたい-。長崎県佐世保市の女性4人が、子育てに関する情報誌「シアワセjikan」を作った。創刊号のテーマは妊娠から出産までの暮らし。岩村美佐子さん(48)=浜田町=は「周囲の手を借りられない状態で子育てをしている人は多い。少しでも助けになりたい」と話す。
 岩村さんは昨年、知人の小川朋美さん(43)、森綾さん(32)、力武貴子さん(32)と、子育て支援団体「シアワセjikan」を結成した。そこで話題になったのが子育てに関する“リアル”な情報を得る難しさだった。
 例えば、岩村さんは長女の出産後の健診で、普段は問題なく過ごしているにもかかわらず、長女が標準体重を満たしていないだけで発育に問題があるように指摘され、違和感を覚えた。「初産では何も分からない上、佐世保は転勤族の家庭も多く、母親が1人で抱え込みやすい」と岩村さん。医師や助産師でもない、同じ子育て中の母親目線で情報を発信しようと情報誌作りを思い立った。
 4人がそれぞれの経験を生かして内容を決め、取材と執筆を進めた。つわりで食事を取るのに苦労した岩村さんは妊娠中の体に適した食事を紹介。ほかにも、ベビー用品のレンタル店や弁当店などメンバーが実際に利用した店舗や、妊娠が分かった後に必要な手続きについてもまとめた。「引きこもり状態の母親も多い。子どもに優しい場所を分かるだけでもうれしいはず」と声をそろえる。
 約600部を製作し、市内の産婦人科や小児科などで配っている。次回は秋に発行予定で、母親の癒やしなどをテーマにする予定。岩村さんは「母親が心から笑い、幸せを感じられる活動につなげたい」と意気込んだ。

「母親目線の情報を伝えたい」と話す(左から)森さん、岩村さん、小川さん、力武さん=佐世保市

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