今年のモナコGPでは、グリッドガールが復活した。これはモナコGP主催者がタグ・ホイヤーの代表として、男女のペアをスタート前のグリッドに登場した。ただし、彼らはドライバーのカーナンバーを示すプラカードを持ってはいなかった。代わり彼らが持っていたのは、ファンからSNSで募ったドライバーへのメッセージカード。どんなメッセージが贈られていたのか、紹介していこう。
▼ランス・ストロール(ウイリアムズ)
“Good luck Grosjean”“Keep up the good work.”「その調子で頑張って! グロージャン」
「good luck」そのものの意味は「幸運を祈る」だが、スポーツで、このフレーズを使う場合は「頑張って!」とか「うまくいくといいね!」のように激励が込められている。しかも、「Keep up the good work」とここまでの走りをポジティブにとらえている。スペインGPのクラッシュでヘコんでいたにとって、何よりの激励になったことだろう。
▼ケビン・マグヌッセン(ハース)
“Kevin, these streets were made for us !”「このストリートは僕たちのために作られたんだぜ!」
このメッセージに込められた思いがいまひとつ不明なのだが、信頼性の観点から一部の空力パーツを使用できずにダウンフォースの足りないマシンでレースを戦い続けたマグヌッセンにとって、今年のモナコGPは「いまは終わって、ホッとしている」という残念なグランプリになってしまった。
▼ピエール・ガスリー(トロロッソ)
“Come On Pierre,you’re the best !!”「さあ、こい!ピエール。君は最高だ!!」
オーバーテイクが難しいモナコで、10番手からスタートしてハイパーソフトで37周まで引っ張っる驚異の走りを披露したガスリー。「さあ、こい!ピエール。君は最高だ!!」は、ファンからだけでなく、レース後にレースエンジニアからも無線で伝えられていたことだろう。
▼マーカス・エリクソン(ザウバー)
“This day is yours Marcus!”“Lycka till !”「今日は君がヒーローだ、マーカス!「頑張って!」
「Lycka till」はスウェーデン語で、リュッカ・ティルと発音する。スウェーデン人があいさつでよく使う言葉で、英語だと「Good Luck」。メッセージを送ったファンも素晴らしいが、このメッセージを選んだ主催者もエライ!!
▼ブレンドン・ハートレー(トロロッソ)
“You’re on top of it Brendon”「君ならやれるよ、プレンドン」
モナコに自宅があるハートレー。ここをF1で走る日を夢見ていた臨んだ初のモナコGPは、土曜日のフリー走行までは、まさに「on top of it」(いい調子)だったのだが……。
▼シャルル・ルクレール(ザウバー)
“Charles, show us what you can do at home!”「シャルル、地元で君の実力を私たちに見せてくれ」
初のモナコGPでQ2に進出し、レースでもあと一歩で入賞という走りを披露していただけに、あと数周というところで発生したブレーキトラブルは残念!!
▼セルゲイ・シロトキン(ウイリアムズ)
“Sergey, show the world just how talented you are!”「セルゲイ、君がどれだけの才能があるのか、世界に見せつけろ!」
予選では今季2度目のQ2進出を果たし、チームメイトを上回る走りを披露していたシロトキン。初入賞への期待もあったが、スタート前のグリッド上での手違いによるペナルティが痛かった。才能を見せつけるチャンスは15戦あるぞ!!
▼ストフェル・バンドーン(マクラーレン)
“Keep up this epic points streak going”「この最高の連続入賞を続けろ」
このメッセージもいまひとつ真意がわからないが、いずれにしても、レース後のバンドーンは「ニコ(・ヒュルケンベルグ)と同じ戦略だったから、入賞はできたはず。ピットストップで時間がかかりすぎて、順位を失った」とおかんむりだった。
▼セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
“You got this Sergio”“Push the pedal to the medal”「セルジオ、君ならできる」「全力でペダルを踏み続けろ」
こちらもバンドーン同様、ピットストップで右リヤタイヤの交換に手間取り、ポジションダウン。集団の中に入ってしまったペレスにとって、「全力でペダルを踏み続ける」ことは不可能だった。